ライトアップやイルミネーションなど、夜景が映える時期になりましたね!
憧れの一眼レフを買って撮ってみたい写真として、綺麗な夜景が挙げられるのではないかと思います。私自身も夜景の撮影に行くときは冬の寒い時期でもテンション上がります!!
夜景を綺麗に撮影するための必須アイテムはやはり三脚です。三脚があれば長いシャッタースピードが稼げるので、多くの光が取り込めるのです。
しかし、ディズニーランドなどの混雑しているテーマパークや観光地では三脚の使用が禁止されています。
また、旅行にカメラ機材を持っていく際は、可能な限り荷物を減らしたいということで、三脚は持っていかないケースもあるかと思います。
この記事では、手持ちで夜景を出来るだけ綺麗に撮影するために押さえておくべきカメラの設定方法やテクニックをご紹介させていただきます。
夜景撮影で一番意識しておくべきことは『明るさ』
まず、夜景撮影の際に一番意識しておくべきことは『明るさ』です。
つまり、『多くの光を取り込む』ということです。
カメラの様々な設定を変えていくことで、明るさのある写真にしていきます。
暗い写真でも、RAW現像等で、ある程度明るい写真に仕上げることはできるのですが、真っ暗な写真を後から明るく綺麗に表現することは限界があります。設定段階で明るさを持った写真を撮れるように意識しておくことが大切です。
カメラと明るさの関係について理解を深めることは、夜景撮影以外の様々な場面で役に立ちます。明るい写真にしていくために必要なテクニックについてこれから解説していきますので、時間のある方は是非読み進めて見てください!
綺麗な夜景写真とは?
一般的に言う、『綺麗な夜景写真』とは何でしょうか?もちろん風景や被写体など、撮影する場面によって変わってくるとは思いますが、一般的には以下の3つの条件をクリアしていれば、綺麗な写真と言えるのではないかと思います。
- 明るさを持った写真になっていること
- 手ブレしていないこと
- ノイズが少ないこと
これら3つの条件がクリアできていれば、綺麗な夜景写真を撮ることができます。
三脚を使用すれば、カメラを固定して撮影に臨むことができるので、上記の条件は簡単にクリアすることができるのですが、手持ちでの夜景撮影の場合はなかなか難しいです。
ある程度妥協する必要は出てくるのですが、できるだけ明るい写真をとれるような設定にしていけば、誰でも手持ちで綺麗に夜景撮影することができますので、しっかり理解を深めましょう!
絞り値(F値)はできるだけ小さくする
まず、手持ちでの夜景撮影の際は、絞り値(F値)はできるだけ小さい設定にしましょう。
絞り値(F値)を小さくすればするほど、多くの光を取り込むことができます。ただし、ピントが合って見える範囲(被写界深度)が狭くなってしまうので、ピントのずれに注意が必要です。
昼間の撮影などでは最も小さいF値(開放絞りといいます)で撮影することは少ないです。
というのも、開放絞りの場合、1段絞った時と比べて画質が落ちてしまう傾向があるからです。
ですが、手持ちでの夜景撮影の場合は、まずは光を多く取り込むことを優先した方が後述するノイズも少なくすることができますので、被写体によっては開放絞りで撮影するのもアリだと思っています。
最も小さいF値はレンズによって異なりますが、一般的に高価なレンズほど、小さいF値に対応できます。つまり、高価なレンズほど明るい写真が撮影できます。
シャッタースピードは手ブレしない限界まで遅くする
シャッタースピードは、手ブレしない限界まで遅くしてください。
これも三脚が使ってカメラを固定すれば、何十秒でもシャッターを開けることができるのですが、手持ちだとやはり限界があります。
シャッターが開いている間にカメラが動いてしまえば手ブレした写真になってしまいます。
シャッタースピードは1/焦点距離 秒を目安に設定する
手持ち撮影で手ブレしない最も遅いシャッタースピードの目安値は『1/焦点距離 秒』です。
レンズには様々な焦点距離がありますが、例えば以下の焦点距離で必要なシャッタースピードはこんな感じです。
レンズの焦点距離 | 手持ちで手ブレしないシャッタースピード |
24mm | 1/24mm秒以上 |
50mm | 1/50mm秒以上 |
200mm | 1/200mm秒以上 |
つまり、望遠のレンズになればなるほど、速いシャッタースピードにしないと手ブレしてしまうんですね。
ですが、この目安値はあくまで目安なので、ある程度夜景の撮影に慣れてくると、この目安より遅いシャッタースピードに設定しても手ブレしないようにできます。その辺りはいかにカメラを固定するテクニックを習得するかなどで変わってくるのですが、ある程度経験を積んでくると、なんとなく分かってきます。
シャッタースピードを遅くすればするほど、多くの光を取り込むことができるので、後述するISO感度を下げることができ、ノイズを抑えることが出来ます。
ISO感度をできるだけ下げる
ISO感度をできるだけ下げることで、ノイズの少ない写真に仕上げることができます。
ISO感度を上げると、電気信号を増幅することができ、少ない光でも適正露出(明るさ)にすることができるので、暗い場所での撮影では必要な要素なのですが、デメリットもあります。
それは、信号が増幅されるときにノイズも増幅されるため、ISO感度を上げるほどノイズが増え、ざらつきが目立ってくるということです。
なので、F値やシャッタースピードをコントロールして、可能な限り明るい撮影ができる設定にしておき、ISO感度を無駄に上げなくて済むような状態にしておくことが大切です。
ですが、ISO感度を低くすることを重視しすぎると、適正露出(明るさ)が得られずに暗い写真になってしまいますので、手持ちでの撮影の場合はある程度妥協する必要がでてきます。
最近のカメラでは性能も上がっていることもあり、ある程度のISO感度でも耐えられるようになっていますが、やはりISO1600以上だとノイズも目立ってくるという感じではあります。
初心者にオススメのカメラ設定は絞り値優先モード!
手持ちの夜景撮影において、初心者にオススメのカメラの設定は、とりあえず以下の設定で感覚を掴むのが大切かなと思います。
- 露出(撮影)モードは絞り値優先モード(A・Av)!
- 感度はオートに設定!
絞り値優先モード(A・Av)は、絞り値(F値)を撮影者が設定し、それに応じてカメラ側で適正露出になるようにシャッタースピードを設定してくれるモードです。
さらに、ISO感度をオートに設定することで、手持ち撮影で適正露出が得られる最適なISO感度とシャッタースピードをカメラ側で設定してくれます。
F値を設定するだけで後はカメラが設定してくれるので、初心者の方にオススメの設定です。まずはF値とシャッタースピード、ISO感度の関係について、上記の設定で感覚を身につけていただきたいです。
しかし、この設定ではシャッタースピードやISO感度を自分で決めることはできないので、よりシャッタースピードを遅く出来そうな状況などでは、シャッタースピード優先モードやマニュアルモードでシャッタースピードを自分で設定することで、よりノイズの少ない写真が撮ることが出来ます。
手ブレさせないために周りのものを利用する
上記で述べたシャッタースピードは、手持ちの場合での手ブレしないシャッタースピードの目安値でした。
なので、手すりや壁など、周りにカメラを固定できるものがあれば、それを利用することも1つの方法です。
手すりにカメラを置いて撮影することで、安定感が増し、上記で述べたシャッタースピードの目安値よりも遅い速度で撮影することができます。
シャッタースピードを遅くすることで多くの光を取り込むことが出来るので、明るく、ノイズが少ない写真に仕上げることができるのです。
できるだけ広角で撮影する
上記で述べた手持ちで手ブレしないシャッタースピードの目安値を見ていただくと分かるのですが、望遠のレンズほど、速いシャッタースピードでないと手ブレを起こしてしまいます。
レンズの焦点距離 | 手持ちで手ブレしないシャッタースピード |
24mm | 1/24mm秒以上 |
50mm | 1/50mm秒以上 |
200mm | 1/200mm秒以上 |
逆に24mmのような広角のレンズほど、シャッタースピードを遅くすることができるので、多くの光を取り込むことができます。それによって、ISO感度の上昇を抑えることが出来ますので、ノイズの少ない写真が撮影できます。
まとめ
この記事では、手持ちで夜景を出来るだけ綺麗に撮影するために押さえておくべきカメラの設定方法やテクニックをご紹介させていただきました。
本当に夜景を綺麗に撮ろうと思うと、やはり三脚を使用してじっくり撮影することが一番なのですが、三脚を使えないような場面で夜景を撮りたいことも多いと思います。
今回解説したことを意識しながら撮影してもらえれば、手持ちの夜景撮影でもある程度綺麗に撮ることが出来ると思いますので、是非試してみてください。
それでは良いカメラライフを!(^^)v